赤米の特徴・由来など
赤米(あかごめ、あかまい)とはイネの栽培品種のうち、玄米の種皮または果皮の少なくとも一方にタンニン系の赤色色素を含む品種を指します。
中国では「紅米」と呼ばれています。
赤米品種は全国的に残存していて、その形質もさまざまですが、一般的には
- 吸肥力が強い
- 病害虫や気候の変化などの環境変化に強い
- 棚田などの環境不良田であっても育成が比較的容易
といった特徴があります。
反対に、
- 丈が長く倒れやすい
- 収量が少ない
などのデメリットがあります。
赤米は、玄米の種皮や果皮にタンニン系の赤色色素を含んでいるため、一般的なお米よりも赤みを帯びています。
タンニンを多く含む植物には、血圧を低下させるなどの薬理効果があるとされ、赤米にもそのような効果が見込まれています。
米が赤くなるのは籾が成熟し収穫できる直前になった時点で、収穫のタイミングが早いと米の色づきが悪い傾向にあります。
また、籾が成熟する前に枝梗が枯れたり根が弱ったりしても色づきが悪くなります。
赤米の赤色は貯蔵中であっても濃さを増していくといった特徴もあり、その原因はタンニンがポリフェノールオキシターゼなどの作用によって酸化重合するためとされています。
赤米の利用用途としては、雑穀米として白米や他の雑穀と共に飯にしたり、酒や菓子、麺類などに加工されます。
赤米の在来品種
- 総社赤米
- 総社市の国司神社の神饌米として栽培されていたもの
- 対馬赤米
- 対馬市の多久頭魂神社の神饌米として栽培されていたもの。総社赤米よりも出穂期の芒の赤色が鮮やかとされる。
- 種子島赤米
- 南種子町の宝満神社の神饌米として栽培されていたもの。神社前の赤米館で見る事が出来る。
赤米の改良品種
- ベニロマン
- 九州農業試験場が育成。対馬赤米と南海97号から作り出された改良品種。生け花やドライフラワーにも用いられている。
- つくし赤もち
- 福岡農業総合試験場が育成。対馬赤米とサイワイモチをもとに作り出された改良品種。生け花やドライフラワーにも用いられている。
- 紅更紗・紅香
- トウコンベースの改良品種。北陸で栽培。
- 紅衣
- 赤室ベースの改良品種。東北で栽培。
- あかおにもち
- 岡山県農業総合センター農業試験場で総社赤米とサイワイモチから育成された。総社赤米の地元、総社市で特産品として栽培されている。